少林寺拳法の有段者になると、技の名前が増えるため、断片的な技の数も膨大になります。

つまり、知識の網目(メッシュ)のような体系を持つことになります。

特に三段や四段の昇段審査では、これが特に顕著です。

 

知識の網目の体系を持つことには、デメリットもあります。

上級者になると、一般的な技の過度な一般化やおおざっぱな知識は好まれません。

技が関連性を持ち、細かく網目状になっていくため、技を選択する際の選択肢が増えるのです。

 

しかしながら、達人はその次元を超えています。

むしろ素人のような考え方に戻り、中級者では得られなかった一般化を行い、2、3つの得意技だけを持っているのです。

昇段審査では、ほとんどの拳士が書籍や参考書を見ながら、技の名前を一致させるために必死に努力しています。

 

最初はそれでも問題ありません。

知識の網目を持つことは、実際には役に立たず、むしろ選択肢が増えすぎて、生半可な知識では技を使う際に迷いが生じます。

そのため、むしろ達人は技の名前をそこそこ知っていれば十分であり、逆に「過度の一般化」を行うべきです。

 

おおざっぱな知識のままで、2、3つの得意技を実戦で完璧に使えるようにするのです。

何でも1、2つの得意技につなげるという考え方が、実戦において強みとなります。

 

例えば、柔道の試合では、強い選手は得意技が1、2つであることが条件です。

それだけで、自然と技をかけることができるので、それが「得意技」となるのです。

私は柔道の大会で、背負い投げ、一本背負い投げ、小内刈り(小内巻き込み)という技ばかり使って地区大会で2位になりました。

 

要するに「技は多く必要ない」ということですね。

 

※補足情報ですが、私は東京大塚道院で

本部の井上弘先生や石井明仁先生、大澤隆管長から直接、少林寺拳法を学んでいます。

そして、四段の特別昇格考試(特昇)を受けて合格した上で、この話をしています。

ただし、先生方の意見とは、関係はありません。