こんにちは、黒帯兄さんこと八木橋ショーガックです。
 
今日は歌の技術の話じゃなくて、ボーカル修行を10年続けると決めた「根拠」の話をします。
 
先に結論を言うと、こうです。
 
幼少の記憶は消えない。37年後に、検索キーワードになって戻ってくる。
 
なんのことか分からないと思うので、順番に話します。
 

1989年、5歳の僕とレッドターボ

僕は1984年1月17日生まれ。



1989年、5歳のときに放送されていたスーパー戦隊が「高速戦隊ターボレンジャー」でした。



レッドターボを演じていた佐藤健太さんは、主演俳優自らが主題歌を歌った

数少ない例のひとりとされています



(前年の『超獣戦隊ライブマン』で嶋大輔さんが主題歌を担当した前例に続く形だったようです)。



ヒーローが自分の番組の歌を自分で歌う。



5歳の僕は、そんな構造なんて知りません。

ただ、あの歌とあの赤いヒーローが、セットで頭に焼き付いた。



それだけの話です。当時は。



でも、この「それだけの記憶」が、37年近く経った2026年に、
思わぬ形で僕の前に数字として現れました。
 

レッドターボは、歴代スーパー戦隊の中でも最強だった

ここで少しだけ、寄り道をさせてください。
 
ターボレンジャーを知らない人に、なぜ僕がこのヒーローをいまだに引きずっているのか、

説明しておきたいんです。
 
レッドターボ(炎力)は、ファンの間で「歴代スーパー戦隊のレッドの中でも最強クラス」と言われている男です。
 
理由は物語の終盤にあります。
 
僕の記憶に焼き付いているのは、仲間の4人が全員やられてしまう展開です。
普通の戦隊なら、5人揃って名乗って、5人で必殺技を撃って勝つ。
 
それがお約束です。ところがターボレンジャーは、その約束を一度壊した。
赤ひとりが残されて、それでも戦い続けて、敵を倒して、仲間のところへ帰ってくる。
 
 
子ども心に思いましたよ。「レッドターボ、ひとりでいいんじゃないか」と。
 
もちろん、それは違うんです。ひとりで戦えるやつが、それでも5人で戦うことを選ぶ。
 
だから戦隊は美しい。
 
でも5歳の僕には、まず「ひとりでも立っている赤」の姿のほうが先に刺さった。
 
しかも冒頭で書いた通り、このレッドターボを演じた佐藤健太さんは、

主題歌を歌った人でもあります。
 
最強のレッドが、自分の物語の歌を自分の声で歌っていた。
戦う人間と歌う人間が、同一人物だった。
 
いま僕が、少林寺拳法の道場に立ちながら特撮ソングを歌っているのは、

たぶんこの構造をなぞっています。42歳になってから気づきましたけどね。
 
5歳のときに刷り込まれた「戦う人が歌う」という型を、37年かけて自分で再現しようとしている。
 
記憶というのは、そういう働き方をします。

アナリティクスを開いたら、おかしなことが起きていた

僕は「くろおび兄さんのうた」というYouTubeチャンネルで、

特撮アニメソングの歌ってみたをやっています。
 
先月、視聴回数の多い動画を研究していて、気づいたことがあります。
 
伸びているのは、鳥人戦隊ジェットマン。そして仮面ライダーBLACK RX。
どちらも1980年代末から90年代初頭の曲です。
 
ここで大事なのは「どこから来ているか」です。
 
バズじゃないんですよ。ブラウジング(おすすめ表示)でもない。
 
検索なんです。
 
曲名やタイトル名を、自分の指でわざわざ検索窓に打ち込んで、たどり着いている。
 
じゃあ誰が打ち込んでいるのか。視聴者データを見ると、30代後半から40代が中心でした。
つまりこういうことです。
 
2020年代のいま、40代前後の世代の人たちが、仕事終わりか休日か知らないけど、

スマホの検索窓に「ジェットマン 主題歌」と打ち込んでいる。誰に頼まれたわけでもなく、

自分の意志で。
 

30年以上、記憶は消えていなかった

考えてみてください。
 
ジェットマンを夢中で観ていた子どもは、いま40代です。BLACK RXも同じ。
 
 
彼らは30年以上、あの曲を「思い出す機会」がなかっただけで、忘れてはいなかった。
 
子育てが一段落したのか、ふと深夜に懐かしくなったのか。
きっかけは人それぞれでしょう。
 
でも行動は同じです。検索する。
 
これ、僕自身がターボレンジャーに対してやっていることと、まったく同じなんですよ。
 
5歳のときに焼き付いた歌を、42歳の僕がいまだに追いかけて、DAMで採点して、

Praatで音響分析までして歌っている。
 
僕の中でターボレンジャーが消えなかったように、

彼らの中でジェットマンは消えていなかった。
 
幼少の記憶というのは、それくらい強い。



そして2020年代は、その記憶を「検索」という形で取り出せる時代です。

だから僕は、バズを捨てて「検索される歌」を録る

ここからが戦略の話です。
 
いまのYouTubeの正解は、ショート動画を毎日出して、

アルゴリズムに乗ることだとされています。それは分かっている。
 
分かった上で、僕は逆を張ります。
 
10年で60本。2ヶ月に1本。検索で見つけてもらえる特撮ソングを、質を落とさずに積む。
 
理由はシンプルで、バズは風だけど、検索は地層だからです。
 
風は一瞬で通り過ぎます。
 
でも「ジェットマン 歌ってみた」と検索する40代は、来年もいるし、10年後もいる。
 
なんなら、いまターボレンジャーを知らない世代が親になって、配信で子どもと一緒に観て、

また検索する。記憶は世代を超えて補充され続けます。
 
その検索の受け皿に、僕の60本を置いておく。
 
これが、少林寺拳法36年で身体に入っている考え方でもあります。
派手な一撃より、崩れない構え。積んだ稽古は裏切らない。
 
しかも僕の声の帯域(G3〜G#4あたり)は、測ってみたらこの年代の特撮アンセムとドンピシャで重なっていました。好きだから歌うんじゃなくて、勝てる帯域だから歌う。
 
ここまで揃ったら、やらない理由がないでしょう。
 

黒帯兄さん的まとめ

5歳の記憶は、37年後に検索キーワードになる。
 
これは僕の体験(ターボレンジャー)と、僕のチャンネルの観察(ジェットマン・BLACK RXの検索流入)から出てきた、机上の空論じゃない結論です。
 
あなたにも、消えていない5歳の歌があるはずです。
 
よかったら、いま検索窓に打ち込んでみてください。
 
その行動そのものが、僕がボーカル修行を10年続ける根拠です。
 
そしてその検索の先に、僕の歌が置いてあったら
 
――それが「くろおび兄さんのうた」の狙いです。
 
次回は、ターボレンジャーの収録に向けたチェストボイスの話をします。
 
ここまで読んでくれて、ありがとうございました。